2013年9月23日月曜日

石神井池、三宝寺池の外来種最新データ

  
  石神井池のアオコはかなり多かったのですが、幸いなことに悪臭は発していません。 先日、外来種問題の貴重なデータを入手しましたので、ご紹介します。 (カーソルを表の上に合わせてクリックすると拡大表示されます。)
                                   
表1について:                      (表1) 
(2007年~2012年の在来種の捕獲数と外来種の駆除数)

  SSFが発足(19年)して最初にアクションを起こしたのが、外来種問題でした。特にカミツキガメ駆除でした。「人に被害が出ないうちに…」と緊急対策を求めました。この年の三宝寺池の調査駆除で43匹ものカミツキガメの捕獲がありました。しかし、駆除の対象区域が三宝寺池の一部に限られていたこともあり、都(東部公園緑地事務所)と交渉。 「明らかにゼロに近づくまで調査捕獲の続行。最低5年程度の実施(捕獲調査)を強く求めました。同時にミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)の捕獲駆除も行われました。調査は生態工房が担当。 
  その後、カミツキガメの幼体の確認もありました(調査継続が正解だったことになります)。カミツキガメ捕獲の定置網にブルーギル、ブラックバスが入り込んでいることがありました。20年からはこれらの外来肉食魚も捕獲駆除対象となりました。そして23年度からは増えすぎたメタボコイの捕獲も追加されました。 
  表の中で非常に気になることがあります。それは23年度からブル-ギル、ブラックの稚魚が大量に捕獲されていることです(捕獲網の眼のせいでそれ以前に捕獲できなかったのかもわかりませんが…)。明らかに繁殖活動が行なわれています。コイの稚魚が見られないように感じていますが、それとも関係がありそうです。

  いずれにしても、これらの調査経過等を良く見てほしいと思います。お気づきのことやご意見がありましたら、ご連絡ください。

表2について:                                (表2) 
(2013年6・7月捕獲結果と9月捕獲状況))
  これまで三宝寺池だけだった外来種の捕獲駆除調査が今年春から石神井池でも始まりました(調査は生態工房)。発注者は東部公園緑地事務所です。67月の捕獲調査データです。 
  ここでも解かることは、三宝寺池にいる有害な外来種は石神井池にもいることです。ともすれば「ブラックバス、ブルーギルは石神井池にはいない…」という人もいました。しかし、あれだけの釣り人が石神井池にいるわけはそれ以外に理由がないと思っていました(都立公園内での釣りは原則禁止です。しかし、東京都は煮え切らない態度があり、管理担当者も苦慮しています)。それは置いといて、やっぱり、ブラックバス、ブルーギルが石神井池でも大量に捕獲されました。調査範囲を広げれば、この数はどんどん膨らんでいくことでしょう。唯一モツゴが奮闘しているのはうれしいことですが…、何時まで続いてくれることか!。

  256月から石神井池で中の島西側に調査区域が設置され、調査が始まりました(詳しくは現在編集中の『ALWAYS』9号に掲載予定)。
   913日に折よく、石神井池西端部で魚類等の捕獲調査活動を見てきました。本来ここはアオコ対策の実験調査が行われるのです(6月~12月)が、業者の申し出により、魚類の捕獲(定置網を仕掛けて)も併せて実施されています。 定置網からバケツに移された獲物を覗いてみました。40㎝径のバケツ半分程に、スジエビ、テナガエビに交じって小魚がうごめいています。体調は1~2cmです。責任者の方に訊くと「ブルーギルの稚魚が大半、1000匹以上はいるよ」とのことでした。気が付いたことがあります。67月の生態工房の調査時にはほとんどいなかったブルーギルの稚魚が9月段階ではこれだけ大量に捕獲されたのはなぜ?  産卵期等のずれがあるのかもしません…。
  いずれにしろ、石神井池にも大量の肉食外来種のブラックバス、ブルーギルが氾濫している現実を見せつけられた。
  
  井の頭公園のかいぼりも大方固まってきたようです。24日の週に西部公園緑地事務所の細岡所長、大道工事課長と懇談する予定です。どうやら井の頭公園池は”日干し”と言うことになりそうですが、直接会って確かめてきたいと思います。

―――SSF/佐藤英