2012年3月10日土曜日

アオコ研究の第一人者・岩見先生と出会う

2月18日の午後、井の頭自然文化園の資料館で、『よみがえれ 井の頭池! かいぼりシンポジウム』が開催されました。参加者はおよそ70人ほどで、立ち見者が相当数いるほど盛り上がりを見せた集会でした。そのシンポジウムの冒頭パネラーを務めた明星大学・岩見徳雄准教授(理工学部総合理工学科環境・生態学系)とお話する機会がありました。
実はこのシンポジウムは西部公園緑地事務所が事務局を努める「井の頭恩賜公園100年実行委員会」が主宰すると言うことから注目した参加しました。行政当局が公然とかい彫りをテーマに掲げることは極めて珍しいことだからです。石神井公園では23年に記念庭園小池の小池が浚渫(かいぼりと同じ)が実現しましたが、これは防災公園化工事の付属して行なわれた例外的なことだったからです。石神井池のかいぼりには東部公園緑地事務所は厳として応じてくれませんでした。
岩見先生は上記の実行委員会のメンバーで水質担当をされて増す。休憩時間にコンタクトを図りました。石神井公園の水浄化、アオコの話にかなり興味をお待ちでした。その後もメールで連絡を取り合ったところ、とんとん話に進展して3月に石神井公園に来園されることになりました。8日には日野市の明星大学にお伺いすることが決まりました。ラッキーなことでした。
岩網先生は東南アジアで魚の養殖場のアオコ対策に取組まれ、また水質汚れで悪名高き手賀沼(千葉県)、霞ヶ浦でアオコをテーマに研究されておられます。井の頭公園も水質汚染やアオコも悩まされています。石神井公園でも昨年8月のアオコ発生状況を説明しました。井の頭も石神井も同じ状況下で共通項も多くあることが分ってきました。SSFでは22年から石神井公園の水質調査を始めて丸2年がたちました。水質悪化問題はますます深刻化してきています。地下150mから汲み上げられ、いけにじかに注がれる水は1日あたり3,700トンです。この水がきれいなら問題はないのですが、有機物が多く含まれ、窒素・リンともに多い。透明度は高いものの、まさに“農用水”(東部公園緑地事務所の言)の位置づけです。こうした見方が立った時に岩見先生にお目にかかったことになります。ともすれば感覚に頼ってきた水質浄化に学術的な水質研究が加わることになると思い、頼もしく思います。 (鷹)