2013年11月27日水曜日

江戸っ子メダカのお話

「井の頭かいぼり隊」のことを書きます。11月23日第2回の研修会でのお話です。

  この日の講師は須田孫七さん(東京大学総合博物館昆虫標本室)でした。須田先生は井の頭公園にほど近い杉並で育ち、小学生のころから井の頭自然文化園に出入りしていた。そして5年生の時、戦時下の大変な時に当時の木村四郎園長から「水生物館に展示する水生生物集め、資料館に展示する昆虫標本集め、同じく野生生物集め」を頼まれたそうだ。非常時ならではの話だ。こうして先生の昆虫や野生生物のお付き合いは 始まり、井の頭とのお付き合いは70年余に及ば。詳しいことは雑談交じりのお話だったので記憶がありませんが、自宅の庭や屋根上に池や水槽等を確保しての大活躍が始まったそうな…。

  そうそう今日書きたいと思ったのは”江戸っ子メダカ”のお話でした。クロメダカの繁殖が進んで、要望されるままにお分けしてみたら”雑種”だった。そこで自宅のメダカをDNA定してみたら「江戸っ子メダカ」はわずか5匹だけだった…。そこから懸命な純粋種の育成が始まり、無事に江戸っ子メダカが育っているーーこのお話のミソは実はこの間にある。

  近親婚の中では当然、奇形とかの問題は避けられないこと…。そこでメダカたちは……。

  成魚と稚魚を一緒の水槽に入れておくと、奇形のものを食べてしまった(人為的に、この時期は餌を少なめに加減)そうな…。かくして正常な種のみが残ることになっていった。

ーー自然の摂理とでも言うか、生命の持つ不思議とでも言うのでしょうか…。


―――SSF/佐藤英