2012年3月10日土曜日

石神井池は日本一汚れた千葉・手賀沼より多い窒素分! 収穫は学術調査活動協力の約束取り付け

 明星大の岩見准教授は3月6日の午後に石神井公園に学生を伴って来園されました。SSFからは佐藤、真野、樽井の3人でお迎えご案内しました。2時間半、園内を歩かれて、5か所で水を採取され、三宝寺池西端部ではプランクトンを、石神井池・カエルの噴水では藻を採取(3月というのに育っていた)されました(写真)。8日には日野市の明星大キャンパスの岩見研究室を訪ねて、前日の調査結果等をお聴きしました。

写真 ①
 これまでの経過から地下水の注ぎ口であってもCOD値が高く(有機物を含む)、窒素・リンを含んでいることは承知していました。しかし、石神井池・カエルの噴水からじかに採取した窒素分の多さは驚きでした(別表を参照)。なんと日本一汚れているとされる千葉県手賀沼や霞ヶ浦の1.5倍もあったからです。リンも同様でした。こうした水がカエル噴水から1日当たり700~900トンの地下水が池に注がれていたのです。水中の窒素・リンがアオコ発生と深く関わっていると言います。そこで昨年8月、石神井池のアオコ発生状況の写真をお見せすると、岩見先生は即座に「アオコ発生をすぐにカエル噴水からの水供給を止めることです」と指摘されました。

写真 ②

 岩見先生からはいろいろなことを教わりつつ、話し合いました。アオコと窒素・リンの関連、ヘドロとの関係、プランクトンや藻のことなどもそうでした。知らなかったことや誤って理解していたことも勉強しました。しかし、一番の収穫は、「今後1年間は石神井池の調査活動を継続して行なう」という約束を頂いたことです。方向性が大分見えてきたところに、学術奈裏打ちがされることになるからです。まことに力強い味方の出現です。           (鷹)                                                            

別表


アオコ研究の第一人者・岩見先生と出会う

2月18日の午後、井の頭自然文化園の資料館で、『よみがえれ 井の頭池! かいぼりシンポジウム』が開催されました。参加者はおよそ70人ほどで、立ち見者が相当数いるほど盛り上がりを見せた集会でした。そのシンポジウムの冒頭パネラーを務めた明星大学・岩見徳雄准教授(理工学部総合理工学科環境・生態学系)とお話する機会がありました。
実はこのシンポジウムは西部公園緑地事務所が事務局を努める「井の頭恩賜公園100年実行委員会」が主宰すると言うことから注目した参加しました。行政当局が公然とかい彫りをテーマに掲げることは極めて珍しいことだからです。石神井公園では23年に記念庭園小池の小池が浚渫(かいぼりと同じ)が実現しましたが、これは防災公園化工事の付属して行なわれた例外的なことだったからです。石神井池のかいぼりには東部公園緑地事務所は厳として応じてくれませんでした。
岩見先生は上記の実行委員会のメンバーで水質担当をされて増す。休憩時間にコンタクトを図りました。石神井公園の水浄化、アオコの話にかなり興味をお待ちでした。その後もメールで連絡を取り合ったところ、とんとん話に進展して3月に石神井公園に来園されることになりました。8日には日野市の明星大学にお伺いすることが決まりました。ラッキーなことでした。
岩網先生は東南アジアで魚の養殖場のアオコ対策に取組まれ、また水質汚れで悪名高き手賀沼(千葉県)、霞ヶ浦でアオコをテーマに研究されておられます。井の頭公園も水質汚染やアオコも悩まされています。石神井公園でも昨年8月のアオコ発生状況を説明しました。井の頭も石神井も同じ状況下で共通項も多くあることが分ってきました。SSFでは22年から石神井公園の水質調査を始めて丸2年がたちました。水質悪化問題はますます深刻化してきています。地下150mから汲み上げられ、いけにじかに注がれる水は1日あたり3,700トンです。この水がきれいなら問題はないのですが、有機物が多く含まれ、窒素・リンともに多い。透明度は高いものの、まさに“農用水”(東部公園緑地事務所の言)の位置づけです。こうした見方が立った時に岩見先生にお目にかかったことになります。ともすれば感覚に頼ってきた水質浄化に学術的な水質研究が加わることになると思い、頼もしく思います。 (鷹)

2011年9月16日金曜日

旧日銀グランド問題に関する最近の動き

9月の第2週、練馬区議会に行きまして2人の先生に、①旧日銀の跡地公園計画案に対して、野球場化(固定)することに反対。 あくまでも多目的広場としての利用ーー極力、一般市民が散歩や遊び場として自由に利用できる形にして欲しい。②毎月3,000~3,500トンの地下水が汲み上げられ、石神井公園の池に注入されているが、この水質が悪い。目下、SSFで継続調査中であるが、今後何らかの対策が必要となる……旨をお伝えしてきました。

そして9月15日の練馬区議会・環境まちづくり委員会で旧日銀グランド跡地公園計画案が討議されました。添付図のように、前の案では多目的広場のど真ん中に描かれていた野球場が、現今のように道路(富士街道)の寄せられる案に変わって提案されました。外周に高く張り巡らす予定だった防球ネットは、1塁側、3塁側に延ばして設置するが、防球ネットも低目として、外野フェンスは設けない。景観に配慮しつつ、且つ歩行者がネット後ろを安全に通る事ができるようにしていたり、芝生も極力残す、となっています。 なお、この計画案は区議会・環境まちづくり委員会で9月20日に決定される予定だそうです。

SSFでは、多目的広場とすることに当初から全面的に賛成してきました。ただ、区資料にあった多目的広場(野球場)に異を唱えて、野球場化することに反対してきたのです。貴重な芝生広場をそのままに残しての開放ーー特に高齢者等と、幼児等がのびのびと過ごせる形にして欲しいと、区議会に陳情をしてきました。

その意味では、かなり改善されたと感じられます。しかし、問題はあります。それは①野球、サッカー、ラグビーは青少年向けか否か。②青少年向けとすれば、土・日曜、祝日と夏休み等に限定されるのか。③バードゴルフ等の団体利用はどうなるのか。④以上の利用日・利用時間帯以外は一般に自由開放されるのか否か。⑤それらを区民にPRするのか。⑥野球の場合は軟式なのか、硬式(リトルリーグ)も許されるのか……などがクリアーになっていません。

かつて区が主張したように「利用団体を制限した上での利用率でなく」、一般市民にも開放しての利用率を表して欲しい。むしら、団体利用を制限した利用法が公園本来のあり方だと思うのです。

皮肉な結果ですが、訪ねて懇談したお2人の区議のみが区提案に意見を言い、残りの区議は区にお任せスタイルのように感じました。


夜間は閉鎖管理

その他は、テニスコートが現在位置のまま7面、駐車場は有料で35台分、駐輪場は臨時に100台分を設置するとなっています。そして夜間閉鎖をし、クラブハウス、テニスコート保護、防犯から閉鎖管理するとしています。

ここにもいくつかの疑問があります。都立石神井公園と同じ管理法を取らないのはなぜでしょうか。都立でも、野球場等いくつかは閉鎖していますが、全体は24時間自由に出入りできます。クラブハウス、テニスコート、駐車場などは同様でいいと思います。しかし、出入り口を極端に制限し、閉鎖管理にする意図はなんなのでしょうか。区立と都立を区別する理由を良く説明をして欲しいと思います。

注文はありますが、区の提案が前進したのは評価したいと思っています。あと一歩の思いです(佐)。


2011年8月13日土曜日

あずまやとパーゴラが完成・・・公園防災化工事の第一期分

公園サービスセンター(SS)前道路の透水化舗装に続いて、SSから100mほど奥入った右側にパーゴラとあずまやが新装完成しました。屋根等に覆いをすることで災害時の臨時避難所になるそうです(けやき広場のあずまやも新装されています)。水飲み場も新設されました。公園防災化工事の第1弾です。

同所は以前から、ブランコあり、砂場ありで、乳幼児たちの”公園デビュー”の場としてかねてから人気があった場所です。一層つかいよくなっての登場です。 なお、公園の防災化工事は引き続いて平成24年まで行われます。


アオコが大発生・・・石神井池西半分に広がる


今、石神井池にアオコが大発生中です。西半分の水面がアオコの緑で覆われています。8月6日の時点では臭いはありませんでしたが、ここ数日の酷暑でどうなるか……、心配です。
SSFでは、4年前から「水質を改善してアオコを根絶して!」と石神井公園を管轄する東部公園緑地事務所に毎年強く申し入れしてきました。対策実施が遅きに失したことにならなければいいな、と思います。
水質改善には池の浚渫(かいぼり)が最善と思いますが、その他にも、ばっ気方法(水に空気を入れ込む。例えば噴水の設置や、水中に空気を強制的に吹き込むなど)、バクテリア工法などいくつかのやり方があります。SSFでは今後とも注視して行きたいと思います。

一日3,500トンの汲み上げ地下水に注目・・・「石神井公園池の水質調査」

8月6日の午前中、定例の「石神井池の水質調査」を6地点で実施しました(データ添付)。昨年からの継続した事業です。

これまでの調査を基に「池の汚濁状態も悪いが、注がれている地下水(日量3000~3500トン)にも問題あり? 」と感じているからです。今年6月からは3か所の地下水注入口の調査を始めました。その結果、余りの水質の悪さ(COD値5~7)に唖然としました。都市河川の河口付近の汚れと同じレベルだったのです。見た目は澄んでいますがCOD値は驚きの閣下でした(SSF広報紙『ALWAYS』第7号掲載)。

今回調査では、水の透明度の調査を加えて行なうことになりました。場所によってCOD値にばらつきがありました。透明度ではまずまず良好でした。引き続いて調査をします。

聞くところでは「これらの注入口から飲料用に持ち帰っている人もいる…」そうですが、やめたほうが良いと思います。

ご参考までに、今年度(平成23年度)の水質調査データシートを下に示します。  データ―シート画面をクリックして頂くと大きな画面でご覧頂く事が出来ます。





石神井池に新装置を設置!

石神井池西端の「カエルの噴水」近くの桟橋に新しい装置が2基新設されました。稼働は8月初旬からです。8月6日に水質検査に行っていて初めて発見しました。これが6月に東部公園緑地事務所:工事課長が言っていた「石神井池のアオコ対策を検討している」という対策の一貫かと思います。この装置は水中の窒素分を吸収し、ばっ気を図る効果があるとのことです。この装置だけで、石神井池半分に広がってしまったアオコ対策にどの程度の機能・効果があるか……は疑問? です。 詳しいことを東部事務所に確認して報告したいと思います。